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ノート探しの旅(番外編):Notionでインフォメーションギャップタスクの情報をシェアする

はじめに

ノート関係の記事の派生で,Notionを使いだしてから,「あ,これ,英語の授業でインフォメーション・ギャップタスクやるときに役に立つな」と気づいたお話。

インフォメーション・ギャップタスクの情報分割

英語の授業でインフォメーション・ギャップ型のタスクをやるときって,AとBのワークシートにそれぞれの別の情報を載せたりしますよね。それを相手に見せないようにねみたいな感じで。あるいは,ワークシートとは別に,Aの学生だけ,Bの学生だけに別の参照資料みたいなものを渡すとか。

こういうときに,わざわざ紙に印刷しないで,NotionでAの人が参照するページ,Bの人が参照するページを作って,そのページへのリンクをQRコードにしてAとBのワークシートにそれぞれ載せておけば,「ペアの人に見られないように」みたいな制限をつける必要もないんじゃないかな?という気がしたんですよね。実際に,授業でも試してみましたし,授業準備の手間的にも追加の資料を用意したりする必要がないし,ワークシートのスペースを無駄に圧迫する必要もないのでかなり気に入っています。

向いているタスクと向いていないタスク

このNotionの使い方は,タスク中にその「分割された情報」を見ながらタスクをやることが必須の場合(例:間違い探しや描写課題)にはあまり向いていません。向いていないといいうと語弊があるかもしれませんが,「真価」は発揮できないですね。むしろ,タスク中にはオリジナルの情報をできるだけ参照しないようにしてほしいような課題(例:リーディング素材の間の相違点を見つける課題)のときに力を発揮すると思います。

こういう課題って,印刷したものをそれぞれに配って,それを裏返しにさせたり,あるいは情報を学習者が読み取る時間を確保したあとに教師が回収したりして,オリジナルの情報へのアクセスを制限するわけです。

こういう場合に,その分割された情報がスマホ(あるいはその他のデバイス)上で閲覧する前提になっていれば,紙の資料をわざわざ配って回収みたいなことをしなくてもいいわけです。もちろん,タスク中に資料を見ようと思えば見えてしまうわけですが,それは机間巡視しているときにスマホ画面を見ていたりする学習者がいないかどうかを気をつけて観察すればよいだけです。

もう一つのメリットとして,学習者側のメリットもあります。紙の資料で配られていたら,それを処理するために,辞書でわからない単語を調べたりなどの作業が必要になる場合もありますよね。もちろん辞書を引くという行為自体は大事なのですが,単語の意味を調べるために,印刷された情報をデバイスに入力させる必要はあまりないと思います。資料をオンラインで提供していれば,その情報はデバイス上で資料を読めるわけですから,わからない単語を調べたりその発音をチェックしたりみたいなことも,随分やりやすくなります。

おわりに

別にNotionではなくても,例えばWordファイルをDropboxやOneDriveなどのクラウドストレージサービス上において,それの共有リンクを作ってQRコードにすれば同じことなのですが,インフォメーション・ギャップ型のタスクで使うような情報って,別にWordみたいな印刷を前提にしたフォーマットにする必要がないんですよね。だったらもっとシンプルなmarkdownでいいわけです。となると,こういう用途にNotionは活用がかなりできそうだな,ということで,そういう用途で結構使い倒しています。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

ノート探しの旅②:アイデアを書き留める

はじめに

ブログ記事のネタになりそうだなみたいな,そういうパッと浮かんできた思考みたいなのを書き留めておく,そういう目的のために使うノートアプリでNotionが「個人的には」うまく使えないというお話。下のポストに書いたことが端的に言いたいことです。

自分がノートアプリに求めていること

自分がどういうノートアプリを求めているんだろうなと思って書き出してみたら,次のような感じになりました。

  • デバイス間のシームレスな同期
  • ノートをカテゴリ分けできること
  • Markdownが使える
  • ノートを自由に共有できること
  • とにかくメモしておきたいという欲求にダイレクトに答えてくれて、それをあとで整理しやすいこと

最後のとにかくさっとメモしたいというときにNotionっていまいちだなって思うのですよね。その一方で,Evernoteの「スクラッチパッド」はめっちゃ神機能だと個人的には思っています。スマホでもブラウザでも,ホーム画面にどしんと構えていて,そこになんでもとにかく形式だのなんだのとかはとりあえず置いていて思考を書き留められる。バーっと書いたら,あとはそれをノートに変換しておけば,ホーム画面のスクラッチパッドはまた空になる。変換されたノートは変換するときにカテゴリ分けしておいて,授業メモならその授業のノートにいれるし,ブログネタならブログネタのノートにいれるという感じ。スマホでObsidianを使っていない私にとって,こういう使い方のできるノートアプリでの最強はEvernoteです。結構なお値段するし色々すったもんだありましたけど,なんだかんだでもう10年以上使い続けているという愛着もあって気に入っています。あれ,もう全部Evernoteでいいのかな?という気もしますが,階層性をもたせた共有というのはEvernoteにはできません。アカウントがあれば,ノートブック単位で共有ができるし,権限を閲覧のみにすれば,私が思っているような共有ができます。ただ,こういう用途でゼミとかならまだしもそうではない授業で全員にアカウントを作らせるっていうのはちょっと気が引けます。よって,その用途ではNotion一択。

では,アイデアを書き留めるっていう目的でNotionは使えないのか?っていうのをちょっと試行錯誤しました。以下,その手順。

1. Scrachpadというページを用意

まずScrachpadというページを用意して,それをお気に入りにしておきます。そうすると,左側のバーの一番上にそれが表示されるのでアクセスしやすくなりますし,スマホアプリでもそれが上に表示されます。お気に入りにしていると,iPhoneのウィジェットに Notionを入れておけば,アプリを開かなくてもワンタップでそのページを開けます。

2. Scrachpadページにとにかく書く

まっさらなノートにバーっとメモします。

3. テキストを選択してページに変換

そして,そのメモを全選択して,ページに変換をするわけです。そうすると,そのメモが新しい独立したページになって,Scrachpad内にはその新しいページへのリンクができます。最初は箇条書きで書いていて,その箇条書きを全選択してページ変換しようとしたら,その一つ一つが独立したページになってしまって,いやそういうわけじゃねーよとなりました。よって,書き込みを一つの段落にしました。これで大丈夫だ,と。そしてリンク先に飛ぶとそれが….

こんな感じで,書いたやつが全部タイトルにされてしまうんです。いやそういうことじゃねーなー感が満載ですよね。タイトルって最初に考えるんじゃなくて,文章を書いて最後に考えるじゃないですか?だって,メモし始めたときには思考がどこに着地するのかもわからないわけですから。

有料版だと解決する?

もしかすると,有料版にしたらホーム画面を自由にカスタマイズできるようになって,私が求めているEvernoteでいうScrachpadみたいなものが設置できたりするんでしょうか?正直,もしそうなら課金してもいいくらいには考えています。かといってEvernoteを完全に辞められるかどうかはまだわからないのですけどもね(禁断症状)。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

ノート探しの旅①:書き込めない問題

はじめに

「①」とつけましたが,いくつまで続くかはわからないまま書き始めています。先日,Obsidian publishを使ってみた感想という記事を書きました。その記事内で,次のように書きました。

この状況を考えると,授業関連のメモをそもそもObsidian上で集中的に管理し,それをPublish機能で公開するという運用自体が,私の使い方には合っていないのかもしれません。Notionならこういうことができるんですかね。となると,授業関係のメモは全部Notion使ったほうが良いのかもしれません(識者情報求む)。

すぐに,「識者」の方から情報提供が寄せられました。

直面した問題

その後,Notionを実際に使ってみて,Obsidian Publishingではできなかったような,授業ごとに資料を独立させて,その中に個別のノートへのリンクを貼っておくというようなことができるようになりました。しかしながら,授業でそういった使い方をしようしたその瞬間に,あることに気づきました。

これだと,学生は資料に書き込みしたりハイライトしたりできないな?

アカウントがあって,共有の設定を工夫すれば,もしかすると学生が自分でPDFにエキスポートしたりできるのかもしれません。しかしながら,それでは元の資料との「断絶」を生むことになります。教員側が行った更新は,コピーした学生の資料には反映されないわけなので。

これに対して従来のPDF形式の資料には,学生が自由にハイライトを付けたり,メモを書き込んだりできるという利点があります。多くの学生にとって,この機能は学習過程において必要不可欠なものかもしれません。

Notionのいいところ

私がNotionでの共有に魅力を感じた理由の一つは,Markdownでの資料作成との相性の良さでした。Obsidianでは,PDFへのエクスポートには様々な不便さが伴います。例えば,1ページに収めたい内容が微妙に2ページ目にはみ出してしまい,文字サイズの調整が必要になることがあります。さらに、修正のたびにPDFを作り直してLMSにアップロードし直す必要があるという手間も気になっていました(Notionで書いたものをPDFにしようとすれば同じ問題にぶちあたります)。

Notionのページを直接見てもらえれば,こういった手間を省くことができます。修正が必要になったときにさっと修正して,それが学生側の資料にも反映されます。教員側からすれば,自分が見ている資料と同じものを学生と共有できれば効率的です。しかし,これは教員側の視点であって、学生側からすれば、LMSから外部リンクへの遷移が必要になることは余計な手間に感じられるかもしれないということも考える必要があるかもしれません。

適した資料と適さない資料

書き込み問題に対するtentativeな解決策は,書き込みが必要になるであろうというようなそういうタイプの資料はNotionのリンクを共有するというのは避けるということになるかと思います。逆に,参照型資料や,なにかの指示のような「読んでおくだけ」と考えられるようなものは,積極的にNotionに移行していくことがいいのかな,というのをなんとなく考えています。そうなると,授業の「メイン」となる資料はどうしようかな,というところが悩みどころです。

おわりに

ObsidianからNotionへと移行して,いいところはあったので,そこからObsidianに戻るという選択肢はいまのところありません。ただ,資料共有と階層性の問題は解決できた一方で,書き込み可能性という新たな課題が浮上してきました。資料共有の試行錯誤はまだまだ続きそうです。

ブログのアイデアを書き溜めるという用途でのNotionの利用も試行錯誤しているので,それについてもまた別記事で書こうかと思います。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。