高校教員から大学教員へのキャリアアップ

はじめに

Querie.meでいただいた質問への回答シリーズです。

背景は以下のツイート御覧ください。

質問

先程のtamさんの「高校教員から大学教員へのキャリアアップ」に関連するツイートを閲覧しました。

実際に大学教員と接していると高校や中学校の先生を下に見る教員が一定数いることも否めないのかなと思います。勿論、給与、専門性、働き方の面では下に見られても致し方ないこともあるのかと存じます。ですが、多くの現場の先生は目の前の生徒を思って本気で向き合っており、あえて大学教員と比べることによって中高の先生を下に見るような発言は非常に不快でした。

Tamさんの考えに本当に共感したため、送信させて頂きました。

回答

あーそういう使い方もあるのか,とまずは思いました。匿名で共感を示すために質問する,ということですよね。リプライで共感しましたって言うのもはばかられるし…みたいなこともあるかもしれませんしね。私は特に自分がフォローしている人以外からのリプライやいいね・RP等が表示されない設定にしているので(これは精神衛生上の工夫です),これまでにもそうやってリプライもらっててスルーしていることがあるかもしれません(まあフォローしている人からのリプライにスルーすることもあるんですが)。そういうわけで,こうやって伝えていただければ確実に私にメッセージは届くので,ありがとうございます。

大学教員を講師として招いて研修とか「指導」をお願いすることもあるでしょうし,小中高の教員が大学教員を上に見ているからこそ,という側面ももしかするとあるのかもしれません。それが悪いという話ではなく,どちらの立場の人にもそういう構造が無意識に内面化されているのかもしれないなと思いました。私のツイートは感情的になってしまいましたが,下記の寺沢さんのツイートは冷静な指摘だと思いました。

ちなみにですが,質問者の方がおっしゃる「給与」の部分については,平均的には大学教員のほうが上かもしれませんが,個別のケースを見れば学校教員よりも給与の低い大学教員はいると思いますし,小中高->大学で「キャリアアップ」にならず給与が下がることもありうると思います。専門性についても,どちらも異なる専門性があるので比較はできませんよね。寺沢さんが書かれているように,「研究と実践」というのはどちらに優劣があるものでもないという理念が,教育に関わっている人になら当然あるはずですから。

働き方も大学教員はみな時間にゆとりがあってということもなく,大学教員でも仕事に忙殺されている人はいると思います。「大学教員になる方法」なんて煽られて大学教員になってみたけど実際には給料も下がるし仕事量も膨大でやりたい授業もできず,みたいな大学にしか就職できないっていう可能性だって全然あると思うんですよね。そうなっても,煽った人は何も責任取ってくれませんからねぇ。とはいえ,私も教員養成課程の学部生だったときには無邪気に大学教員にあこがれていて,『大学教授になる方法』という本をゼミの先生に紹介されて読んだ記憶もあります。

実務経験は大事な一側面ではあるでしょうし,学生によってはそれが説得力を持つものだと認識する側面というのはあるでしょう(最近そんなような話を聞いたばかり)。ただ,自分の経験も話すだけの授業じゃ大学の授業じゃないでしょう,っていうツッコミもありうると思いますし,大学で教えたいとか教員養成に携わりたいみたいな気持ちだけで「良い」大学教員になれるかというと,必ずしもそういうわけではないかなという気持ちもあります。英語の授業をする,ということについてはもちろんどこでやろうが一定程度共通する基盤の能力みたいなもあるでしょうけどね。

おわりに

本題と関係ない話をつらつらとしてしまいましたけど,もうちょい自分の中でも考えを整理したいなと思う話題だっていうことがブログに書こうとして初めてわかりました。こういう機会を与えてくださった質問者の方に感謝しています。

なにをゆう たむらゆう。

おしまい。

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